おはようございます。
先日からまた久々にブログを更新し始めました。
今回は、お金が無いけど百姓になりたい新規就農者向けの手作り倉庫の様子をアップしていきます。
竹岡農園はようちえんや、オルタナティブスクールなどこの5年くらい共育事業で知られることが多くなってきましたが、そもそも農家であり自給自足で自分たちで何でもやってしまおうという集団であります。
まぁ、だから教育環境ですら自分たちでやろうっていう無謀な話になっていくのですが…
山にある資源だけを使って百姓の作業場である倉庫や屋根を作ろうと思ったのは、10年くらい前に出会ったある宮大工の一言がきっかけでした。
「百姓なら自分で倉庫くらい作れないと本物じゃないやろう」と。
そこから宮大工直伝のストックヤード作りに参戦し、やり方を覚えて山から針葉樹を切り出し、今の畑にある農具倉庫を作りました。
それがもう4、5年前の話です。
初弟子として受け入れた里佳子と作ったので、そのくらい前だったような。
今回は、3年前から僕の右腕として一緒に働いている康太の作業場作りです。
どうせ作るなら大きいものを作りたいし、これまでやってきたやり方よりももっと合理的な方法があるんじゃないかと思って、丹波でお馴染みのHさんに相談しました。すると、山口建築さんを通じてイケてる軸組の仕方を教えてもらえそうだったので、オルタナティブスクール里山楽校の授業を絡めて、今回ワークショップをお願いすることに。
今年度、楽校でツリーハウスを作る予定で色々と設計出してもらってましたが、僕らが実際に使える技術を教えてもらえる方が子どもたちにとっても学びになるだろうとの判断で今回の「素屋根」作りプロジェクトが動いていきます。
神社などを作る際に手間をかけて作るので本体が雨などで濡れないように仮の屋根を作るそうなんですが、それが素屋根です。
非常に簡易ですが、理にかなっているめちゃめちゃイケてる軸組みでした。
ということでまずは山に入って傷んでそうな針葉樹を切っていきます。今回は自宅周りにある木などもかなり伐採しました。
伐採の仕事は、本当に危ないのでノリでやらないで下さいね。
これくらいの木でもひとつ間違えると家も潰れますし、人が〇んでしまいます。かなり危ないので、初めての方はもっと細いのからやりましょう。
木が用意できたら、皮をめくります。
墨付けをしやすくするために皮をめくるので、別に皮がついてても建てるのに問題はありません。
今回は生木を使いましたが、めちゃくちゃ重いので、本当は1年以上寝かせて乾燥させてからやるとすごく楽です。
今回は生木を4mを15本、8mを3本、3mを5本用意しています。
運ぶときに最大で8人集まって頂きました。ご協力頂きありがとうございます。
そこから3ヵ月寝かせ、今回の建て方のときに5人でやってます。生木で8人でも重かった木は3ヵ月で5人で持ち上げられるので、やはり針葉樹は使いやすいですね。
皮がめくれたら、つぎは3・4・5という三角形の出し方で直角を出します。この辺は文章で説明が難しいので調べてみてください。
そして、間を決めて柱を埋めていきます。
柱の地面に埋まる部分はコールタールで塗っておくと腐るのがゆっくりになります。これで10年くらいは保つでしょうか。
10年後はジャッキアップして基礎を入れるか、潰してしまって新しく建てるかですね。今回は大きいものを作るので、10年後は腐った部分を修繕しながら作業場として使ってこうという計画です。
柱の穴を埋めるのも全て手作業。このへんは穴を掘る道具があるので、それを使います。ホームセンターで売ってます。
柱を埋めてしまったら、しっかりとカケヤなどで地面をたたいて締めておきましょう。
地面に埋めるとめちゃくちゃ強度が上がりますが、逆に言うと地面に埋まってるところがずれると非常に危ないです。
埋めた後は、水平を出していきます。
今回は、Hさんの私物を使って柱の2m50cmのところで基準を出していきます。2m50cmで連結部分を作っていきます。
ちょっと見にくいですが、段ボールで勾配の三角形を作りそれに合わせて片面ずつ線を入れていきます。
線に沿ってチェンそーで両側から切ると、上からハンマーで叩くだけで上の写真のような切込みで落ちます。
これが、今回の素屋根の一番大事な部分。
これさえ作れればどんな丸太も乗せられます。
やはり文章では難しいので、どうしても自分で出来なくて教えて欲しい方は遊びに来てください。
丸太の梁が乗ってしまえば、あとは柱に穴を空けて、番線や藁縄、麻縄などでくくって柱と梁を締めていくだけ。
今回は番線でいきたいということで番線にしましたが、これが自然の藁縄や麻縄なら潰れても全て分解され自然に還ります。
素晴らしい。
さすが、Hさんです。そして、山口建築さん、尊敬です。
これさえできれば、本当に何でもできます。ものすごい応用しやすいやり方で、床でも倉庫でも、簡易の小屋でもなんでもありです。
六角堂でも、八角堂でもなんでも作れてしまいます。
最後に梁の真ん中をチェンそーで平らにし、同じように丸太を乗せる連結部分を作れば最後の8mの棟を乗せ、番線で縛れば、軸組の完了です。
3、5mの幅と8mの長さのある作業場の骨格ができました。
ここまで大きいと、軽自動車などのカーポートにもなるし、大人数でBBQも出来るし、なんやかんや作るにも便利ですし、全てを兼ね備えています。
最後に屋根、これは楽校の子どもたちにも協力してもらって竹を使って屋根を張ります。
全て自然物。
屋根は少し時間がかかるので、出来次第またブログにアップしますね。
お楽しみに。