特定非営利活動法人ふえっこ自然村(前 特定非営利活動法人 丹のたね)が自然環境を生かした共育活動として取り組んでいる親子クラス、2歳クラス、里山ようちえん、ふえっこ楽校のコミュニティを総じて「ふえっこ」と呼びます。

あそびが人間を育てる

我々が子どもの頃は、友だちと遊んでいると時間を忘れていつの間にか日が暮れていました。
遊びに目的はありません。
遊びたいから遊ぶ。
遊びは自分を満足させる行為です。

ふえっこ共育は、子ども時代にたくさんの遊びの経験を通して心と身体が成長していくことが本来の子どもの育ちだと考えています。
子どもたちの才能を少しでも早く見つけて、それを伸ばして、出来ないことは訓練して、と早く大人になることを良しとする考え方もありますが、当たり前のことですが成人すればそこからずっと「大人」として生きていくわけです。
ですので、わずかな子ども時代にめいっぱい子どもとして生き、色んな失敗や、チャレンジ、友情、楽しかったことなど様々な種類の経験からくる自分だけのストーリーを持って成長してほしいと思っています。

また、あそびを重視すると言っても、ここは里山です。
里山では文明生活では考えられないくらい、子ども達にとって生きる力を養える環境があります。
暑い日も肌寒い日も五感を使って身体をたくさん動かし、脳の感覚統合をしていくだけでなく、全てを道具に変えて行く力、想像力、危機回避能力など生きて行く上で不可欠な体感的なものや、心の面では友だちとの関係性をあそびの中で構築していく力など社会性も存分に育まれます。
自然界は良い面だけではなく、虫や植物など生命の世界に触れることで残酷さや非情さなど、様々な自然界の法則や真実に出会っていくことで、大人になったときに自分の生き方を進んでいくための視野や器ができていきます。

自由の本質とは

 オルタナティブスクールふえっこ楽校を始めるにあたって、スタッフの中山が「自由」という生き方の概念を提唱しました。そして、自由な人間を育てる共育とはどんなものかそれから3年間スクール活動をしながら考えたものです。
フリーダム、リバティなど英語から来る印象で自由を捉え、社会という鎖からの解放という意味での自由を活動に取り入れると、仲間意識も協調性も育たず数カ月で何もしない子ども達になっていったのを覚えています。

そこからそもそも西洋文化と東洋文化、風土的な違いや国民性などを深く考えていくことになりました。

これは完全に禅の鈴木大仙の引用になりますが、自由の本質について非常に分かりやすく語っておられるのでご紹介します。
『松は竹にならず、竹は松にならず、各自がその位に住すること、これを松や竹の自由と言います
松は松として、竹は竹として、山は山として、その拘束のなきところを自分が主人となって働く、これを自由というのです
松が竹にならないというのは人間の判断であり、松からしてみれば余計なお世話でしょう
松は人間の規制や原理で生きているのではないのです』
このように他人軸や社会的なステータスの物差しではなく、自分自身の本質に従い、自分の意に即して、自然のままに生きることを自由と言っています。

日本の里山は本当に豊かです。
ほんの小さな土地の中でもものすごく多様な生き物が共存し、それぞれが自分の本質に従い、関係しあい、バランスを保って共存しています。
それこそが、我々が先祖代々から受け継いだ感性であり、八百万の神々が和をもって調和してきた神の島なのではないかと感じるのです。

ふえっこ共育から広がるコミュニティ

ふえっこ共育のコミュニティでは現在、2歳児のひよこクラス、3~5歳児の里山ようちえん、小学部以上のふえっこ楽校の3つの子どもたちが成長するクラスがあり、大人たちは同じフィールドで竹岡農場として農業やサービス業をして働いています。

元々の始まりが農業事業体であったため、地域社会の仕事として里山を保全していくのが我々の仕事でした。
棚田を守る大人たちが集まり、自然環境を美しく維持して共存していく「暮らし」の上に、ふえっこの共育事業が運営されています。

ふえっこ共育はそうした里山での暮らしを生み出す多様な大人のコミュニティによって守られ、コミュニティ全体で子どもたちを育てていく、もっと言えばコミュニティの中で大人も子どもも共に育っていく風土を作っていこうとしています。

完全な自然でもなく、完全な人工物でもない、ちょうど自然と人間の暮らしが調和した空間である里山で、子どもたちは年齢に応じて、遊びの幅を広げ、役割を担い、自分の興味関心の世界を広げていきます。

 

自然界という本物との出会い

人間以外の自然界の生き物は動物も植物も生まれたときから、誰に教わるでもなく自分で立ち、自分の本質を理解して命を全うすることを知っています。
人間も自然界の中で思いっきり自分を出して成長していくと、周りとの友好的な関係の結び方、憧れ、自分に向いていること苦手なこと、自然の中で遊ぶために必要な感性など感覚的に勝手に目覚めていきます。

誰かに教わるではなく、自ら考え行動し、自分の人生を切り開く逞しい子どもたちが育つためにどんな環境が必要なのか。
ふえっこの共育活動は、それを既存の学校だけにお任せするのではなく、地域社会として市民活動の可能性を自然豊かな里山に見出します。
お子様を預ける検討をされている皆様におかれましては、ふえっこ共育活動への参加をサービス事業として預けるのではなく、共に参加して頂き、一緒にコミュニティの一員として子育て環境を作っていくご協力をお願いしています。

里山ようちえん、ふえっこ楽校の詳細については下記のリンクよりそれぞれのページへお進みください。

 

 

里山ようちえん ふえっこ

親子クラス、2歳クラス、3~5歳の預かり保育

 

ふえっこ楽校

6歳から15歳まで

里山楽校は皆様のご支援で運営していきますので
寄付、寄贈を募っています。
支援方法、使い方などをこちらに記していますので是非お読みいただき、ご支援をお願いします。

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