里山楽校ふえっこ 2023年の事業計画にあったように来る7月に「夜のピクニック2023」を開催します。
この企画は、映画「夜のピクニック」を参考にしたもので、それをそのまま楽校のカリキュラムとして実践できないかと組み込んだものです。
目的
ただ膨大な時間を仲間たちと「歩く」ことを通して、目標の達成に必要な困難さ、考え方を深めるきっかけとなる経験値の獲得、人や世界との繋がりや絆など子ども達ひとり一人にとって様々なドラマが生まれること状況を設定することを目的とする。
方針
53km~67km(最短ルートで53km、子ども達の様子を見て回り道をすると67km)を歩き切り、ゴールは海水浴場でBBQ&海あそびとする。
体制
運営裏方の陣頭指揮:代表尾崎、里山楽校の清水校長、里山ようちえんの郁子園長の連携で意思決定する。
現場体制:正行とスタッフ《康太、なごみ、貴美子、ボランティアスタッフ寺島美羽さん(試験が終わっていれば)から2名子ども達が選定》と楽校の子ども達、一部希望者がいれば外部の子ども達。
ボランティアスタッフ:各休憩所、宿泊準備、ゴール設営、ごはん作りなどは保護者含めボランティアチームで行って頂きます。
サポートウォーカー:ポイントを決めて、一定区間歩くサポーターさん。ポイントにあるくじで選ばれる。
外部からの参加希望者
スタッフによる面談後、リーダー面談あり。参加費1万円
日時・場所
企画参加者のみにお知らせ。
ルート
海岸沿いから、山を越え、ゴールを目指す。
具体的なルートは参加者、当日の運営スタッフのみで共有。
持ち物
・帽子、水筒、着替え、カッパ、バンソウコウなどの救急セット(スタッフも持参)、タオル、居組駅から東浜駅までの電車賃、保険証、懐中電灯、非常食など、その他各自必要なものを持参
・1日目のお弁当、仮眠装備(持っている人は寝袋など)⇒車で運びます。
・2日目の打ち上げ、海あそびの準備
※荷物が多いと負担が大きいです。必要最低限でお願いします。
《夜のピクニック》 開催に当たって、参加される児童の保護者の方へ。
この企画を通して、里山楽校が子ども達に伝えるメッセージは生易しいものではありません。
人間の成長・成熟において、「易しい」状況や対応、つまり楽な方に流れることに個人的に良いと思いません。
人は安易にたどり着いた答えや、安易に手に入れたものに価値を感じませんし、気づきや学びも深まりません。
里山楽校が子ども達に伝えたいことは、「易しさ」ではなく、「優しさ」。
そして、本当の「優しさ」とは困難を通して、それに立ち向かう勇気や強さを持ってしか獲得できないのではないでしょうか。
以下、この企画を通して子ども達に伝えたいことを、トルストイ「人生論」から引用して、共有します。
今回それぞれの立場において、ご協力頂く皆さまと少しでも同じ方向性が向けるような理解し合える会としていきたいので、よろしくお願い致します。
トルストイ「人生論」からの引用
人生は残酷で、無意味な苦しみに満ちているが、それでも我々は生きている。
命を絶つ方法など誰もが知っているというのに、苦しみを恨み、泣き言を言いながら、それでも我々は生きている。
一体それはなぜだろう。
この人生には、苦しみよりも快楽が多いからなのか。
いや、そうではない。
誰もが皆心の奥底で、自分の生命の幸福のためには、あらゆる苦しみが必要だということを知っているからだ。
だから苦しくても、つらくても、我々は生きているのである。
だからそろそろ人間は苦しみに慣れ、苦しみにおののかず、何故苦しいのか、何のために苦しいのかなどと自分に問うのはやめるべき頃合いだと思うのだ。
一体その質問にどんな意味があるというのだろう。
苦しみと快楽は常に結びついている。
そのことを既に君も知っているはずだ。
それなのに、誰もが苦しみの理由ばかりを知りたがり、その反対の快楽の理由については、何ら興味を示さない。
こんなおかしな話があるだろうか。
そんな人間に与えられた選択肢は2つだけだ。
1つは苦しみを受け入れずに生きる道である。
これは自分の個人的な幸福こそが、真の幸福であるという誤った認識から生じる態度である。
この場合、自分の苦しみの大部分が拷問となり、絶望と憤りが与えられ続けるだろう。
そして2つ目の道は、苦しみを当然のものとして生きる道である。
これは他者の幸福を自分の幸福として認めることによって生じる態度である。
愛が少なければそれだけ苦しみが増し、愛が大きければそれだけ苦しみから逃れることができるだろう。
人間にとって唯一の喜ばしい仕事
それは、苦しんでいる者に手を差し伸べ、苦しみの原因である迷いから救うことだ。
そのような愛の実践こそが、人間に奪われることのない幸福と、真の生命を与えるのである。