Satoyama Kindergarten — Fuecco
里山ようちえん ふえっこ
― いのちのリズムに従って、生きる力を育む ―
ふえっこは、竹岡農園の一角にある小さな里山のようちえんです。
「自然に学び、自然とともに生きる」——農園の理念をそのまま教育にした場所です。
畑も森も、風や雨も、すべてが教科書。
自然のリズムに身をゆだねながら、人と自然の調和を取り戻す“共育”を行っています。



教育の根底にある思想
私たちは、子どもを“何かにする”ためではなく、
もともと備わっている「育つ力」を信じて見守ります。
大人の役割は、教えることではなく、
その力が自然に芽吹く“環境”を整えること。
教育とは、子どもも大人も自然に還っていくプロセスです
自然に学び、自然とともに生きる
ふえっこは、「人も自然の一部」という考えに立つ幼児教育の場です。畑も森も、風や雨も、すべてが教科書。自然のリズムに身をゆだねながら、人と自然の調和を取り戻す“共育”を行います。
「天地と我と同根なり」— 老子
教育は、そのリズムに沿って“本来の力”が芽吹くよう環境を整える営み。
“教える”より“整える”
子どもはすでに「育つ力」を内に持っています。大人の役割は、その力が自然に伸びるよう、場と関係を整えること。焦らず、比べず、それぞれのペースで育つことを大切にしています。



遊びは、生きることそのもの
山・川・畑・火: 思い通りにならない自然の中で、子どもは自分で感じ、考え、工夫する力を育てます。小さな失敗は大切な学びです。
からだと暮らし: 挨拶や食事、片づけなどの生活動作も保育の一部。手足を動かし、「できた」という実感が自信を育てます。
食育: 竹岡農園の無農薬野菜にふれ、土の匂いや四季の味わいから食を学びます。畑と台所は、最高の学び場です。
1日の流れと年間の活動
1日の流れ
| 09:00 | 登園・おはようの会 |
|---|---|
| 午前 | 野外活動(山・畑・川) |
| 12:00 | 昼食(季節の食材) |
| 午後 | 自由あそび・片づけ |
| 14:00 | おやつ・絵本 |
| 15:00 | 降園 |
年間の主な活動
- 春: 入園式/野草料理/田植え/草木染め
- 夏: 川遊び/マルシェ/畑しごと/虫探し
- 秋: 稲刈り/親子登山/運動会/お泊まり保育
- 冬: たき火会/おもちつき/お別れ登山/卒園・進級式


共に育つコミュニティ
ふえっこは小さな共育の場
各クラスの定員は5名。子ども一人ひとりの成長を、ていねいに見守ります。保護者や地域の方々、農園スタッフが関わりながら、共に育ち合うコミュニティをつくっています。
次回募集:10〜11月(説明会・見学受付中)
安心して過ごせる環境
自然の中の小さなリスクを学びに変えながらも、安全管理・見守り・救急対応を整えています。子どもたちが安心して挑戦できる環境を大切にしています。
各クラスのご案内
ふえっこでは、子どもの年齢や発達に合わせて3つのクラスをご用意しています。すべてのクラスで、自然の中で過ごす時間を通して“生きる力”を育てます。
🐣 ひよこクラス(1〜2歳児)
はじめての「安心」と「信頼」を育む時間。 親御さん以外の大人(スタッフ)との信頼関係を丁寧に育て、安心して外の世界へ一歩ずつ広げていきます。
| 対象年齢 | 1〜2歳児 |
|---|---|
| 曜日 | 火曜〜金曜 |
| 時間 | 9:00〜14:45 |
| 場所 | 里山ようちえん内(丹波市山南町笛路村) |
| 定員 | 5名 |
- はじめは園内でゆったり過ごし、安心の土台をつくります。
- 信頼関係ができてきたら、村の中の散歩や屋外体験へ。
🌿 幼児クラス(3〜5歳児・正規コース)
自然のまんなかで、“自分”を育てる。 週4日のリズムで、四季のめぐりとともに遊びと暮らしの学びを重ねます。
| 対象年齢 | 3〜5歳児 |
|---|---|
| 曜日 | 火曜〜金曜 |
| 時間 | 9:00〜15:00(延長保育 〜16:00/希望者) |
| 場所 | 丹波市山南町笛路村内 |
| 定員 | 全体で15名 |
※ 一般的な幼児の体力と、ご家庭で過ごす時間のバランスを踏まえ、週4日としています。学期の初めは慣らし期間があり、時間を短縮します。
- 主な活動:里山散歩・野外調理・制作活動
- 四季の手仕事:田植え・収穫・草木染め など
- 行事:遠足・親子遠足・季節の会 など
👩👧 親子クラス(6か月〜未就園児)
親子で“自然の時間”を取り戻す。 里山をゆったり散歩し、季節の手仕事や水・土・草木の感触を親子で味わいます。
| 対象年齢 | 6か月〜(首が座ったお子さまから)保護者同伴 |
|---|---|
| 曜日 | 金曜日 |
| 時間 | 10:00〜13:30 |
| 場所 | 丹波市山南町笛路村内 |
| 定員 | 約10組 |
- 里山での親子散歩・山川あそび
- 四季の手仕事(野草料理・梅しごと・味噌づくり など)
🌿 園長:竹岡郁子メッセージ
「自然と、子どもたちに育ててもらっている毎日です。」
私はもともと都会で保育士として働いていました。
けれど結婚をきっかけに、丹波の中山間地域へと移り住み、百姓の嫁になりました。
自然の中での暮らしがはじまり、
畑に立つ日々の中で思いました。
——この豊かな場所で、子どもたちと一緒に保育ができたら。
自然の中で遊びながら、
子どもたちが生きる力を育てていけたら、と。
そして平成28年の春、
NPO法人「丹のたね」のもとで、
里山ようちえん ふえっこを立ち上げました。
🌱 子どもたちの中にある「自然」
幼稚園に勤めていた頃、私は子どもたちの姿から
たくさんの“気づき”をもらってきました。
砂場でずっと遊ぶ子、
用務員さんの後ろをついて歩く子、
季節の移り変わりをいち早く感じ取る子。
子どもたちは、
自然と呼吸を合わせて生きている——
そう感じる瞬間が、たくさんありました。
丹波で暮らし、畑の土に触れるうちに、
その意味が少しずつわかってきました。
土に触れると心が落ち着く。
それは、子どもたちが砂遊びに夢中になるのと同じ。
人の中には本来、“自然とつながる感性”が備わっている。
そのことを、あらためて実感しました。
🍃 この土地と、人に育ててもらって
ふえっこは、「何かをやりたい」と強く思って始めたものではありません。
この場所と、ここに集まる子どもたちがいて、
「じゃあ、やってみようか」と自然に生まれた園です。
丹波の里山には、豊かな自然と、
笛路村の温かい人々という大きな財産があります。
その恵みを生かした保育ができたら——
そう思ったことが、ふえっこのはじまりでした。
👩👧 親子保育の原点
ふえっこのスタートは、親子いっしょの保育でした。
子どもが「楽しい」と感じるためには、
まずお母さんが安心して、のびのびできることが大切。
親子でいっしょに自然を感じ、
笑いながら過ごす時間の中で、
子どもはゆっくりと世界を広げていきます。
焦らず、比べず、競わず。
自然のリズムの中で、
“その子らしさ”が育つ保育を大切にしています。
🕊️ ふえっこという場
私は、この丹波の地に「呼ばれるようにして」来ました。
そして今は、この場所の自然と、子どもたちに
**「育ててもらっている」**と感じています。
ふえっこは、子どもも大人も、
いのちのリズムに還るための場所です。
自然の中で過ごすうちに、
いつのまにか、自分らしさが息を吹き返していく——
そんな時間が、この里山には流れています。
