ふえっこ

緊急事態宣言を受けてその②

緊急事態宣言以降のふえっこの運営について、理事長の立場で判断したことと思いを投稿します。

県民局からの継続要請があり、自粛期間中も保育サービスを継続している里山ようちえんふえっこ。

クライアントにもご説明しましたが、手洗い・うがいの回数を増やし、保育士は体温を計測後出社、フィールドが屋外、少人数であることで密集は避けれても、接触は避けられない(保育観点上必要であることが多い)とお伝えしています。
そして、最終的にはクライアント判断で登園して頂くことになりました。

コロナ以降変更したのは、
・いつでも遊びに来れるようにふえっこ広場を常時開放
・保育時間の短縮
・野外調理、人数の多くなるイベントの中止
大きく以上の3点です。

以下、この間の個人的な意見になります。
このコロナ混乱の中、中止になりそうだった進級式で9人全員の顔が見れたことは運営側の大きな喜びと励みになりました。

現場の保育士は、コロナがどんなウィルスかがまだよくわかってなくて危険に対する不安が大きいこと、親御さんの労働条件にもよりますが、時間の融通の利くご家庭にはできるだけ今は家族の時間を持って欲しいという思いもあり、緊急事態が出ている時期は休園してもいいのではないかとの意見も強かったです。

そんな中、理事としてできることは、やはりこの1年ふえっこの園児たちの感性の豊かさに触れ、自然教育ふえっこの教育的価値と今後このような子どもが社会を変革していく可能性を大きく感じたことで、いつ終わるとも分からない緊急事態の中せめて運営体制だけでも整えようと決断しました。

園児一人ひとりが自分の感受性を伸ばし、自分と他者が違うことを認識して、大自然の外遊びを通じて社会性を育んでいる。少人数制で個性を重視すると、協調性が育たないのではないかと心配される方もおられますが、現場の保育士は逆だと言います。
むしろ自分の感性を充分育て満たされることで周りとの協調性は自然についてくると。
この一年で、様々な教育に携わる立場の方の視察も受け、同じ考え方の方と上記の内容を共有・共鳴してきました。

自分が今まで受けてきた教育は、「右向け右」「前にならえ」といった周りと同じに行動することが最適とされた環境で、〇×で点数を付けられ、社会が正解とする答えにたどり着いて承認される中で育ってきました。

そうやって育ってきて、社会に出て、今までと全く違う社会変動の中でどれくらいの人が自分で考え、自分の道を見つけることができるのでしょうか。
今後は加速的に誰もができる仕事はAIやロボットに代わっていき、人と違うこと・まだ誰もやっていないことに大きな価値が生まれ、社会変革が起こる時代だと肌で感じています。

自分の考えを追求していく、人と違うことこそが価値になってくる、これからは皆がそこを目指していく多様性社会が具現化しています。

そして多様性社会を生きていく上で必要な非認知能力を伸ばすための教育として自然と繋がる体験や笛路村の里山のような自然フィールドが非常に有効だと再認識しました。

アフターコロナ、ウィズコロナと言われていますが、どちらにせよ社会が変革するタイミングにおいて、自分で考えたことをチャレンジするマインドは生きていく上で必要だと感じます。

また、この短い期間自粛要請がかかっているのも何らかの意味も感じます。
幼児教育はあくまで家庭・家族との繋がりがしっかりしてこそ大きく影響する分野です。
自分自身に置き換えても、この自粛期間に家庭の在り方、家族との向き合い方を捉え直すチャンスだとも思えます。

長くなりましたが、この社会混乱を経てさらに進化した社会に向かいたいですね。我々一人ひとりが教育だけでなく今の在り方を考え直すとき、これまでやってきたことや当たり前に受け入れてきたことをここから先の世代にも引き継いでいくのか、一個人としてもう一度整理したいと思っています。

自粛期間、オンラインでの交流が主流ですが、ふえっこの活動は実体験です。
オンラインで受けようがない教育です。
まだまだ混乱は続き、課題が多いと思いますが、晴れて当たり前のように集まり活動できる日が来るといいですね。

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