ご紹介

居候 中山 〜ここに来た理由①〜

「なぜここ(竹岡農園)に来たのか。」
ここにきて、いろんな人によく聞かれる質問である。

たしかに私のような、素性もよくわからない人間がいきなり(しかも住み込みで)飛び込んできたのだから、これは当然の疑問だと思う。
しかし、残念ながら私はこれまでこの質問にきちんと答えられた試しがない。
なぜなら、ここに来た理由が多すぎるからと、単純に話すことがあまり得意ではないから。
そんな私に、「書くのは得意そうだから居候ブログを書いてみないか」というありがたいお話をいただいたので、まずは思いつくままにつらつらと書いてみようと思う。

私ははじめ二週間の研修生としてここに来た。
話で聞いた竹岡農園という場所にとても心惹かれるものはあるけれど、なにせ行ったことがない場所だったので、おっかなびっくり飛び込んだというのが正直なところだった。
そんな緊張状態ではあったが、山の中腹にある竹岡農園まで車で上がってきたときに、いきなりふわっと優しい空気に包まれた気がした。

なんというか、自然が人間に対して心を開いているという感じ。
もっと率直にいうなら、生きてていい、と自然に言われている感じ。そんな実感は私にとって生まれて初めての経験だった。
その時はその理由がよくわからなかったけど、ここに居候をし始めて一か月半近くたったころ、「ここは虫たちが攻撃性を持っていないね」というある研修生の言葉を聞いたとき、ああそうかと思った。
こちらから(農薬や除草剤などで)攻撃しなければ、あちら側(植物や昆虫)も生存をかけて攻撃したりしないんだということ。

蜂や熊に出合ったときの心得と基本は同じで、こちらから攻撃しなければ、あちらからも攻撃されることはない。
単純なことだけど、その単純なことがなおざりになってしまっている環境にずっと居たんだなあと思った。
自然と人が共に暮らす。
そんな環境にずっと居たいと思ったのが、ここで居候したいと私を突き動かしたまず第一の理由です。

つづく。

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